モーニング娘。コンサートツアー2009 春 〜 プラチナ 9 DISCO 〜


於:周南市文化会館
朝目が覚めると、本能的に時計に目が行った。
いや、おかしい。「目が覚める」ということ自体が、おかしい。
昨晩は職場の送別会があり、かなりの量の酒を飲んだ。
しかし翌朝一番の飛行機で山口へ発たなければならない。
この際、寝ないで旅行の準備を進めつつ朝を迎えよう…
そう思っていたはずだった。


あさはかな目論見は、強力な睡魔の前に砂上の楼閣の如くいとも簡単に崩れ去ったのである。
寝ぼけ眼を凝らして時刻を確認する。
あと10分ほどで5時になろうとしていた。
予約しておいた、近所の駅から羽田空港へ向かうバスの出発は、4時35分。


\(^o^)/


オワタ。始まる前からオワテル。
当たり前のことだが気が動転した。
いっそ行くのやめるか。
いやいやいやいやいやいや
それはない。
行く。行くけど。
どうする。
飛行機にはもう乗れない。
んん〜。
今から航空券買うといくらかかる?
調べてみた。
うわー、無理。
電車で行くしかない。
新幹線で…東京−徳山
18,690円。
…やむを得ん。
つーかこないだスピード違反で18,000円持ってかれたばかりなんだが。
もうやだ…


しかも荷物の準備などがほとんどできていなかった。
混乱した頭で、さしあたり必要なものを思いついた順番にかき集めてバッグに放り込んでいった。
とにかくチケット類だけは忘れないように…
着替え…サイリウム…DS…
そうして忘れ物がないかどうか熟慮するひまもなく家を飛び出した。
後から思えば、電車で行くと腹を決めた以上は開演に間に合えばよいのだからそれほど慌てる必要もなかった。
しかしこの時の私は、後悔の念を噛み締める時間を自分に与えることを無意識のうちに拒否していたように思う。
けだるさの残るこの自室をとにかく一刻も早く抜け出し、旅を始めてしまうことで全てを振り切ろうとしていた。


東京駅に着いたのは6時半頃だっただろうか。
切符を手に入れ、新幹線のホームに向かう途中困ったことが起きた。
携帯の電池が減り始めている。昨夜は充電もせずに眠りこけていたのだ。
更にまずいことに慌てていて充電器の類をすっかり忘れてきてしまった。
仕方なく売店でいかにも簡易的な充電器を購入。
これも余計な出費である。


7時10分発のぞみ7号に乗車。
徳山まで4時間少々だが、一息つけるというようなものではなかった。
車窓を流れる景色をぼんやりと眺めながら、自らの失態に対する嫌悪やいらだちと戦っていた。
どうしてこうなった…

 ___ 
/ || ̄ ̄|| ∧_∧ 
|.....||__|| (     )  どうしてこうなった・・・ 
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ 
|    | ( ./     / 
 ___ 
/ || ̄ ̄|| ∧_∧ 
|.....||__|| ( ^ω^ )  どうしてこうなった!? 
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ 
|    | ( ./     / 

 ___ ♪ ∧__,∧.∩ 
/ || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ  どうしてこうなった! 
|.....||__|| └‐、   レ´`ヽ   どうしてこうなった! 
| ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪ 
|    | ( ./     / 

 ___        ♪  ∩∧__,∧ 
/ || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  どうしてこうなった! 
|.....||__||         /`ヽJ   ,‐┘   どうしてこうなった!  
| ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ     
|    | ( ./     /      `) ) ♪

11時半頃、徳山に到着。

降りしきる雨。そして寒い。
どうやら天気が悪そうなことは調べがついていたが雨具を用意してくる余裕などはもちろんなかった。
駅でビニール傘を購入。
さしあたり視界に入った吉野家でこの日最初の食事をとる。
まだ時間があるのでなんとか挽回できないかとパチンコ屋に入る。
エヴァに2000円入れたところで無謀だと悟り撤退。
それでもかなり時間があったが歩いて会場に向かってみることにした。
実際駅から結構距離はあるのだが道順がおぼつかないこともあり相当長く感じた。
14時過ぎには会場に到着。

中に入るとロビーがグッズを求めるヲタでごった返していた。
歩き疲れたのでどこかに腰を下ろしたいがそれもままならない状態。
あちこち探索するうち会館の地下にソファーを見つけ、開演まで約1時間休憩。


いろいろあったけど昼開演。
ソロMCもちろん道重。
地元の中学時代に火災報知器を鳴らしてみんなの前で謝らされた話。
でもそれで人前でしゃべることの快感を覚えたとか。
まあそれにしても話が上手になってるわ。
一人しゃべりのラジオを2年半もやってるのは伊達じゃない。
それからダブルアンコールで「雨降ら」の歌詞に関連して故郷の家族の話になると思わずウルっと…
本当に家族思いの子なんだなあと。


昼終わり、バスで駅まで戻ろうとするがなかなか来ない。
やっと来たバスに乗ってようやくホテルにチェックイン。
とにかくシャワーで汗を流す。
くつろぐ暇など全くなく夜公演へ。
バスの時間を調べてあったけど間に合わなくなったのでタクシー。
夜開演。
道重ソロMCはこれまた地元話で45分もかけて自転車通学をしていたが4回ほど事故ったという話。
それからピンクのサイリウム祭ももちろんあったんだけどそれを見た高橋が締めのMCで「外は桜が満開ですが、ここはピンクの桜が満開で…」と発言すると道重「それ私が言おうと思ってたんです…」
で会場大うけ。
「愛ちゃんのはなかったことに」ということでダブルアンコールでは普通に「外は桜が満開ですが…w」とやってた。


あと亀井の最後のMCがいよいよおかしくなってきて
亀井「山口が大好きになったのでこれから山口出身って言って良いですか?」道重「それ福井でも言ってたよね?」
お前は林家こん平師匠かと。
ノノ*^ー^)<山口で生まれて荒川区で育った亀井絵里が久方ぶりに地元に帰ってまいりました
ノノ*^ー^)<なお私の帰りの鞄にはまだ若干の余裕がございます
とやれば完璧ですね。


というわけでとんでもないドタバタで始まった山口遠征の本編ようやく終了。

最後は倒れそうになるくらいきつかったがなんとかやりきった。
かと思えば本当に倒れて運ばれていったヲタがいたらしい(すいません全く気づきませんでした)のでシャレにならん。
帰りはバスがもう終わってたので歩くしかなかった。
結構寒かったのだがホテルにダウンジャケット置いてきてしまったので風邪っぴき覚悟でヲタどもに混じり駅まで行進。
でもまあ何とか大丈夫でした。
宿に戻って大浴場(と呼ぶにはちょっとかわいすぎる感じの)で一日の疲れを洗い流す。
そしてここのホテルは携帯の充電器の貸し出しサービスもあって大助かりであった。
とにもかくにも波乱に満ちた一日が終わり、私は深い眠りについた。