わらしべ夫婦双六旅


於:新橋演舞場
矢口真里出演の舞台を鑑賞に何年かぶりに銀座へ。
しばらく見ないうちに数寄屋橋あたりの様子もなんだか変わって見えたのは気のせいか。
奇しくもこの日はかの東京マラソンの開催日であったが交通規制などはすでに解かれた後だった模様。
有楽町駅から晴海通りを東銀座方面へ進んで歌舞伎座を過ぎたところで右へ曲がりしばらく行くと新橋演舞場
こちらの外観は歌舞伎座のそれと比べるとずいぶんひっそりしていて拍子抜けしてしまった。
中へ入るとまあ当然のことながらヲタ臭などはゼロに等しいシックな趣き。
正月でもないのに和装の女性なんかもちらほら。
まあ見られればいいやということで3階席を取ったのだが1階席ととんでもない金額差がある。
どうなんだろうなあと思いながら着席したが舞台はしっかり見えたので一安心。
しかしトイレに行ったりなんだかんだして戻ってくるとちょっと事情が変わった。
前の席に人が座ると頭が邪魔になる。そして気づいた最大の問題。
「花道が完全に死角」
これはでかい…
花道の存在すらまったく頭に入ってなかった…


ともあれ、開演。
おおー、中村勘三郎だ。ハロプロ以外の有名人を生で見たときの新鮮な感動。
で、やはり花道はまったく見えないんだけどふと左のほうを見るとこういった残念なお客さんのためにモニタが設置されていて花道の様子が映し出されるようになっていたのだった。
まあ申し訳程度な感じで、臨場感も何もあったもんじゃないわけですが。


それでも芝居は十分楽しむことができました。
なんと言っても藤山直美。この人はすげえーわ。
本当に、出てくるだけで全部持って行ってしまう。
むしろ勘三郎さんなんかは直美さんに好き勝手やってもらうために一歩引くというか、抑え気味の演技をしていたような。
でも芝居はうまい。やっぱり。
夫婦役の上島竜兵余貴美子も笑わせて、泣かせる。
もちろんお約束の無茶ブリ大会なんかもあって大いにウケていた。


さて肝心の矢口であるが、役回りは旅芸人一座の天才少女歌手ということでイケメン二人を従えたお姫様ポジション。
はっきり申し上げて出演者の中で飛びぬけて可愛らしいので形(なり)は小さいが存在感は十分に示している。
きっちりと美声も披露してくれますので一般のお客様にも矢口真里は歌手であるということを再認識していただけたのではないかと。
ただ個人的にはもっと派手に動いてほしいというのがあって、まあこういうお芝居ですから仕方ない部分あるけれども、やっぱりミュージカルっぽいもののほうがヲタ向けには楽しいのかなっていう感じはしました。


こういった毛色の違う舞台もたまにはよいものであります。
歌舞伎とか、寄席とかも多分普通に楽しめそうな私はすでにおっさんなのだろうか…