福岡遠征 2日目


朝目が覚めたのは8時半ごろ。
このホテルは朝9時半まで朝食を無料で出してくれるのだが、全く食べる気がしない。
しかも冷蔵庫には昨夜買ったドラフトワンのロング缶と煮玉子、テーブルの上には「チートス」が一袋、まるまる手付かずで残っていた。
食欲はないがここにいられるのもあと1時間半だけなので食ってしまいたい…
まあいい、冷えたその他の醸造酒(発泡性)①をグイとあおれば目も覚めるだろう、ってんで、冷蔵庫を開けて冷えた、ひ、冷え…


…てない。
よく見ると冷蔵庫の中に注意書きが。
「御使用の際はスイッチをお入れください」
奥のほうにあるツマミを回すとブーンと音を立てて冷蔵庫が仕事をし始めた。
…酒が冷えるまでうつらうつらしながら過ごした。
9時を回ってから飲み始めて、酒と玉子はやっつけたがチートスはほとんど残った。
荷物をまとめ、9時50分ごろチェックアウト。


さて…帰りの飛行機は午後3時25分発。それまでフリータイムというわけだが。
で、せっかく福岡に来たので「Yahoo!JAPANドーム」を見に行ってみることにした。
これまたバスに揺られ、都市高速を経てシーサイド方面へ。
高速を下りてからやたらと道が混んでいる。
なんでもマラソン大会による交通規制だとか。
「ヤフードーム前」のバス停で降りて、もうすぐそこに見えるドームに向かって進む。


ホークスタウンモール」という商業施設を通っていくのだがここはアパレル関係の店やらフードコートやらフットサル場やらシネコンやらライブハウス(Zepp Fukuoka)やらなんでもあってお客でにぎわっている。
野球も終わって閑散とした球場周辺を想像していたのだがとんでもなかった。
それどころかドームに近づくにつれてやたらと人がいっぱいいるのである。
何を隠そう例のマラソン大会のゴール地点がここになっていて、この日のドームは参加者やら観衆でごった返していたのだった。
その人波をかきわけながらドームをぐるっと眺めてみた。
…まあ、別に外見はなんとも…
それからグッズショップを覗いたりどさくさにまぎれてドーム内に入り通路を歩いてみたりした。
まあでもやっぱり野球やってる時に来てみたかったなあと。


ドームを引き上げがてら、タウンモール内のゲーセンにも寄ってみる。
ゲーム機はそれほどバリエーションはなかったがバッティングセンターやボーリング場まであってやはり一味違う感じであった。
バッティングは20球で400円とかなり割高だったがせっかくなので一回だけ挑戦。
ホークスのピッチャーの映像が映し出されてボールを投げ込んでくる。
ピッチャーは和田。球速は110km/hを選択したが初球とんでもない高さのボール球を投げられたのであわてて高さ調節。
まあまあな調子で打ってあと50cmずれてればホームランという当たりもあった。
さすがにただのマシン相手よりも打ちやすいかも。


そんなことでホークスタウンを後にして、博多まで地下鉄で帰ってみることにした。
最寄り駅の「唐人町」まではけっこう歩く。
博多まで250円。ん〜高いなあ…
電車を待っている間に、大変なことに気づいた。
「携帯電話がない。」
バッグの中にもポケットの中にも、ない。
…バッティングセンターに置いてきた。確かにコイン投入機の上に置いた。
やばい。マジやばい。福岡だぞここ。
とにかく戻ろう。駅員さんに頼んで一旦外に出してもらう。
またあの長い道のりを激しい焦燥感に襲われながら戻っていく。
頼む。なんとか無事で。
地行浜橋」を渡ろうとする時に、ふとズボンの後ろポケットがいつもより重いような気がした。
中を改めてみた。


電話が出てきた。


なんで?こんなとこに入れたことないのに。バカだろ俺…
電話が見つかった安堵と、完全な無駄足を踏んだ自分への呆れとが入り混じったどんよりした気分で、また駅まで引き返す。
途中、私に声をかける人がいた。見た目20歳前後のちょっとかわいい女の子だ。
「すいません、あの、携帯電話お持ちですか?」
「あ、はい…(ええ、持ってますとも!全然失くしたりしてないし!)」
「ちょっと、電池が切れちゃって…お借りしてもいいですか?」
「ああ、いいですよ、どうぞ(待ち受けが矢口ですいません)」
女の子は手際よくボタンを押して電話をかけ始めた。
福岡弁がまたかわいい。
1分もせずに通話は終わった。
お金をくれようとしたので断って、また駅へと向かった。
うむ。いいことをしたな。でも待てよ…これで俺の携帯番号吸われちゃったわけだよな…
でもかけた先の番号もこっちに残るわけだし…いやでもそれは…
そんなことを思いながらも今度こそ地下鉄に乗って、博多へと戻ってきた。


時刻は午後1時近い。ハロモニ。も終わってしまったがそれどころじゃなかった…
とりあえずまた、昨日のゲーセンに入った。そしてやはり昨日と同じくクイズで時間をつぶした。
1時半ごろになるとようやく小腹が減ってきた。
博多駅の地下に移動して、これまたカレーで昼食。
その後、同じく地下の店で土産物を買い揃えて、また地下鉄で福岡空港へ。
さあ、福岡ともお別れだ…もつ煮食えなかったのは無念…
さよならSEE YOU AGAIN、アディオスBYE BYEチャッチャ〜


飛行機はほぼ定刻どおり羽田に到着。
まずは帰りのバスのチケットを自動販売機で購入。これで一安心…ベンチに腰を下ろす。
ふと、空港の時計に目をやる。17時15分。
「ん…?」
手元のバスのチケットの出発時間を見る。17時15分。
「!!!!!!!!!!!!!!」
急いで出口を飛び出す。
乗り場へ向かって走り出そうとするが早いか、
目の前を坂戸駅行きのバスが走り去っていった。
「いやああああああああああああああああああああ」
私はなぜか「飛行機が着いてからバスが出るまではかなり時間がある」と思い込んでいた。
チケットに印字された購入時刻を見ると、17時13分。買って即、乗り場へ駆けつけなければならない状況だったのである。
血の気の引いた顔で高速バスのカウンターへ向かった。
「あの…乗り遅れちゃったんですけど…払い戻しとかはしていただけ…」
「あ、はい、本日の分でしたら大丈夫ですよ…」
チケットを出して、まるまる2000円戻してもらえた。
よかったああああああああああああああああ
またすぐ自動販売機で、チケット購入。今度は出発時間をよく確認…18時45分。
…帰りが1時間半も遅くなったじゃねえか…
ぶっちゃけ、この時点で所持金はかなりまずいことになっており、時間の潰し方にしても選択肢が狭まっていた。
もうとにかくウロウロしないで、大人しく時間を過ごそう…
でもなんか腹減ってきた…といって空港の食事は高いし…
いや待て!俺食料持ってるじゃねえか!バッグの中に!!
チートス!!!!!!
売店で「ぐびなま」だけ買って、またベンチに座りチートスをつまみに飲んだ。
うめー。チートスうめー。
そんなことをやってる時に、目の前をどっかで見たような男前が通過していった。
ますだおかだの岡田さん。いや絶対そうだって。一緒にいたの奥さんだよな、多分…元「-4℃」の。いやよく知りませんけど。


バスの時間が来た。今度はきっちり乗り場へ向かう。
羽田を出発。外は雨。雨具を持ってきてないが坂戸まで帰れればあとはなんとかなる…
車中、テレビ携帯で日本シリーズの様子をチラ見したり、持って来たはいいけど結局全然使わなかったニンテンドーDSリリパット王国やったり、うとうと眠ったりしながら坂戸に着いたのは午後8時過ぎ。


とまあ、1泊2日の強行軍ながら様々なドラマの詰まった初九州遠征なのでありました。
次回、九州遠征第2弾「九石ドームを制圧せよ!」に続く。のか?