モーニング娘。コンサートツアー2006春〜レインボーセブン〜


於・新潟県民会館
小川・久住の地元凱旋コンに私、あいめ、ゆきぽんの3名で車遠征。
春ツアー初陣となる私たちは相当気合を入れて臨んでいた。
朝7時に埼玉県朝霞市内を出発。所沢ICから関越自動車道に乗って一路新潟へ。
混雑もなく、すこぶる順調に進行。時間的にもかなりの余裕があるというので色気を出した私たちは、久住小春の生地巡礼というオプショナルツアーを組み込むことにした。
高速を途中で降りて、久住が生まれ育った県内某所へ。
母校の外観を写真に収め…ぐらいしかできることはなかったが妙に満足。
もう高速には乗らないで海岸線沿いの国道を北上して新潟市内を目指した。
晴れていれば『真夏の光線』が最高に似合うドライブとなるわけだがこの日はあいにくの空模様。
そして降ってくるものが雨から次第に雪へと変わっていったのだった。


しばらく走って、昼ごろには会場に到着。先にグッズ購入など済ませる。
そのあと現地民の♪未来の扉♪氏と合流して、昼食にラーメン食べに行く。
威勢のいい兄ちゃんが厨房を取り仕切っていて、時折発するかけ声が「やよー」と聞こえるのをネタにしたりしていた。


15:30、昼公演開始。
もうとにかく新曲、SEXY BOYのダンスが楽しすぎる。
GyaOでダンスショットバージョンPVが先行公開されていたこともあり、ヲタにはすでに振り付けも浸透していた。
(0^〜^)<どこで覚えたんだか…完璧です。
とリーダーからもお褒めの言葉。
また、今回の目玉商品ともいえるレインボーピンクは想像を絶する破壊力。
脳漿を泡立て器でかき回されるような感覚にとらわれます。
アンコール前では10人のシルエットのあまりの神々しさに思わず涙。
オーラスはアディオス BYE BYE チャッチャで大団円。これまたいい味出している。
また、地元メン二人のおまけ挨拶もあり。
見どころ満載のライブを堪能した。


さて私は帰りの運転のこともあり、夜公演はパスして体を休めることにしていた。
それはいいとして、ある問題が発生し始めていた。
折からの雪が一向に止む気配を見せず、高速道路ではチェーン規制が始まったという情報が入ってきたのだ。
雪が降りそうという予報は知らなかったわけではなかったが、積もるような雪になることはあるまいと完全にたかをくくり、すべり止めなどの準備は全くしていない。
とりあえずは夜公演のあいだに雪がおさまり、規制が解除になってくれることを祈るほかなかった。
車内に一人残り、うつらうつらして過ごしていたが、雪は無情にも降り続く。
夜公演が終わり、あたりはすっかり暗くなった。
同行の二人を待ちうけ、扉氏に別れを告げて岐路を急ぐ。
この時点では一時的にすべり止め規制が解除されていた。
今のうちに…とはやる気持ちを、うっすらと雪化粧を始めた路面が阻む。
やがて、発進しようとするとタイヤが若干空回りするような状況にまでなってきた。
しかしとにかく前進しようと、残り少なくなっていたガソリンを補充して、新潟西ICから高速に乗った。


雪は激しさを増した。
フロントガラスには雪が吹きつけ、前方を確認することすらままならない。
およそ高速道路にはあるまじきスピードで、かすかに見える轍を辿って走った。
しかししばらくして、私たちに運命の宣告がなされた。
車は巻・潟東ICの手前まで進んでいた。前方の電光掲示板に映し出された規制情報…
「巻・潟東IC−土樽PA 雪 チェーン規制」
つまり…この先はノーマルタイヤでは走れない…
巻・潟東ICで高速を降りた。
すぐにセブンイレブンが見つかった。道路の右側にあるその店にとりあえず避難しようと、ハンドルを右に切ってアクセルを踏んだ瞬間―――
車体が左に動いた。右に切ったのに左に動いた。
パニック寸前になりながらももう一度アクセルを踏むと、車は面倒くさそうに右に向きを変え、セブンイレブンの駐車場におさまった。
この時私の中で、雪道への恐怖心が一挙に臨界点まで増殖した。


時刻は夜10時。とりあえず自宅に電話し、帰れなくなったことを伝える。
セブンイレブン店内で、何を買うでもなくウロウロ。
外はまさしく吹雪。関東に住んでいてはまずお目にかかれない光景だが、さすがに「わーいわーい雪だー」などという気分にはまったくなれなかった。
ただひたすら降り積もっていく雪。いつまでここに留まっていなければならないのか…
私たちはなす術もなく、車の中で寝たり起きたりしながらしばらくの間過ごした。


ふと、目が覚める。午前2時。
窓の外の光景に変化が起きていた。
「雪やんだ…」
もちろんいつかは雪が降り止むことは道理なのであるが、その時が意外に早く訪れたことに驚きがあった。
私は依然として雪道運転への恐怖を振り払えずにいたが、同乗者二人に「とにかく動こう…」と促され、人が走るくらいのスピードで移動を始めた。
まずはとにかく南下するために幹線道路に出なければならない。また、大通りに出れば途中でチェーンを手に入れることもできるかもしれない。
一旦ほぼ真東に進んで、国道8号線を目指した。
途中、また雪が降り始めた。ハンドルを握り締め、とにかく慎重に進む。
やがて、どうにか8号に出た。
しかしさすがに真夜中だというのに交通量がそこそこあり、流れが速い。
第一、夜で視界も極めて悪い。この条件で更に車を走らせようという気持ちには到底なれなかった。
また、うまい具合にセブンイレブンがあったのでそこに留まることになった。
(次の日につづく)