2005年プロ野球パ・リーグ公式戦 東北楽天ゴールデンイーグルス×西武ライオンズ 1回戦

プロ野球の歴史に新たな1ページが加えられるこの日。
その興奮を身をもって味わおうと、深夜バスに揺られて仙台に乗り込んだ。
仙台駅東口にAM5:30到着。ひとまず歩き出し、どう過ごそうか…と迷う間もなく
目の前にマンガ喫茶を見つける。吸い込まれるように入店。
ここで3時間あまりを過ごし、駅前の期間限定イーグルスオフィシャルショップへ向かった。
ハロプロ関連商品も置かれているこの店の前にはすでに30人ほどの行列ができており、
10:00の開店を待っていた。
待つこと1時間弱、しかし10:00を回ってもなかなか開店しない。
業を煮やして店員に問いただす客。どうも開店は11:00?煮え切らない店員の対応にクレームが浴びせられる。
そして結局10:30に店は開いた。あっという間にヲタでごった返す店内。
生写真購入の長い列ができあがり、さらに店の外にも列が。
ここで、開店時には陳列されていなかったカラーバリエーションレプリカユニフォームが
いきなり店外で売られ始める。結果、早くから待っていた店内の客には行き届かず…
これに怒った先般のクレーマーさん、更に激しいクレーム。店員平謝り…
ひと段落したと思ったらまた一人店員に文句を付け始め、この時点で店内のムードは最悪。
一方では、一人で大量に写真を購入する客のため慣れない店員達が
ピックアップと確認作業に悪戦苦闘。写真待ちの客がどんどん溜まっていく。
結局、この虫唾が走るような空間に1時間程度とどまることを余儀なくされた。
気を取り直して仙台駅構内でみやげ物など買い込む。
駅の中にもオフィシャルショップがあったがこちらは駅前の店のような混乱は見られず、
最初からこっちに来ればよかったと後悔。


ここで心身ともにリフレッシュを図るためサウナタイム。
事前に数軒目星をつけて所番地をメモしていったのだが、思うように見つからない。
やっとのことで2時間1000円のお店にたどり着いた頃にはもう1時。
高校野球中継など見ながら一息つく。


仙台駅界隈を歩き回っていると、あちこちにイーグルスの標示を目にするし、
『THE マンパワー!!!』のメロディも幾度となく聴いた。
想像以上に仙台は盛り上がっているという印象を受けた。


さて少し遅めの昼食。お目当てはもちろん牛タン。
過去仙台に来るたび立ち寄っていた店に向かうが、見当たらない。
しばらくうろついたがやっぱり見つからず、当てもなく駅方面へ戻る。
後で調べてわかったことだが、現在店内改装のため休業中だとか…
しかたなく仙台駅構内の適当な店で強引にタンを食う。


そうこうするうち時刻は3時過ぎ。いよいよフルキャストスタジアム宮城に向かって歩を進める。
「宮城野通り」をひたすら歩く。道行く人々の表情はどれも楽しげで、
新しいことの始まるワクワク感で通りが満たされていた。
20分ほど歩くとついにその場所が姿を現す。
フルスタ宮城の周りにはさながらお祭りの縁日の様な喧騒が展開されていた。
真新しいグッズショップの中はファンでいっぱい、外にも行列ができている。
ボーっと立っていると後ろから「すいません、道を開けてくださーい」の声…
振り向くとものすごい早足で過ぎ去っていく集団。
三木谷浩史オーナーとその取り巻きであった。


開場時間を間近に控え、どの入場ゲートの前にも長い列ができていた。
ぐるっと回り込んで外野指定席の入場口に向かう。
しばらく並んで、入場。中に入ると、人工芝の緑と座席の朱色の
鮮やかなコントラストに眼を奪われた。
ふと思い返すと、オープンエアーの野球場に訪れたのは随分と久しぶりだ。
しかし、やっぱりちょっと寒い。それでもまずはビールを一杯。
うめぇーーーーけど寒い。


やがて日は暮れてゆき、寒さも増してきて、吐く息がはっきり白く見えるようになる。
しかし売りに来るのはビールと、冷たいソフトドリンクばかり…
この辺は考えてほしいところ。タダでさえ寒い地域なんだから…


5時半ごろ、オープニングセレモニー開始。
聖なるグラウンドに11人の勝利の女神が舞い降りた。


モーニング娘。の登場である。


神々しい輝きを放ちながら『THE マンパワー!!!』を熱唱する女神達。
しかし、遠い…音響もかなり、微妙…
それでも一生懸命その姿を眼に焼き付けようとしました。
そして生まれて初めてモーニング娘。の写真を撮りました。
ああ、刹那のような時間。歌い終わると、あっという間に女神達は
走り去っていってしまいました。


べーやんと香西かおりんによる君が代斉唱などあり、いよいよ試合開始。
マウンド上はもちろん背番号21、岩隈久志!!!
1回表、エラーによる出塁を許したものの上々の立ち上がり。
そして1回裏、イーグルスの攻撃は悩める主砲、礒部公一!!
初球ヒッティング、大飛球がレフトポール際へ!!!…惜しくもファウル。
球場全体がため息。しかし本当のドラマはその後に待っていた。
フルカウントから西武先発・岡本の直球を叩くと、
打球はふわりと舞い上がってバックスクリーンへ!!
まさかの先頭打者ホームラン。こんな出来すぎな幕開けがあっていいのか。
さらにイーグルスはロペスの3ランなどで得点を重ね、
一挙6点を奪って岡本を早々とノックアウトしてしまったのです。
99%がクリムゾンレッドに染まった客席、その熱気に押されて
躍動するイヌワシ軍団。終わってみれば16-5の大勝。
記念すべきホーム開幕戦を鮮やかに彩って見せた。


この一戦が仙台の人々に与えたインパクトはいかばかりか。
私もはるばるやってきて、本当によかったと思いました。
しかしシーズンはまだ始まったばかり。課題もたくさんあるけど、
これからこのチームをじっくり応援していこうと思う次第であります。